企業研修講師として、お客様の要望を組み入れ、あるいは潜在的なニーズを掘り起こしながらプログラムをご提案するプロセスで、このテーマについて考えることが、しばしばあります。
私は、前職では、研修会社の営業さんにお会いして、担当いただく講師のプロフィールを見たり、プログラムを「決める」側の立場にいましたから、尚更です。
お客様(事務局サイド)で「何をつくりだしたいのか」=“ What ”が明確であればあるほど、エッジの効いたプログラムになる可能性が高いですね。会話した細かいニュアンスなども鑑みて、“ What ”がブレないプログラムが出来上がります。
逆に、そこがあいまいで「どのようにするのか」=“ How ”ばかりに焦点が集まってしまうと、うまくいかないリスクが高まります。
これは実際にあった話ですが、打ち合わせの場を持って、お客様が考える“ What ”やその他のご要望を事前にお聞きしました。それを元に組み立てたプログラムに合意いただいたため、準備を進めたのですが、後になって「すみませんが、こんな感じでやってくれませんか?」と、まったく別のプログラム・アジェンダをお客様から提示されたのです。いろいろと事情があるらしく、こちらも何とかしたあげたい気持ちはあったのですが、“ What ”と“ How ”が乖離している…プロとしてクオリティを担保できないんですね。残念でしたが、その案件は辞退させていただくことになりました。
“ What ”と“ How ”、研修だけでなく、あらゆる仕事においても、特に“ What ”を明確にして成果を生み出すアイデアにつなげたいものです。