何をつくりだすのか。どのようにするのか。

PDC-カラー_レイアウト-2企業研修講師として、お客様の要望を組み入れ、あるいは潜在的なニーズを掘り起こしながらプログラムをご提案するプロセスで、このテーマについて考えることが、しばしばあります。

私は、前職では、研修会社の営業さんにお会いして、担当いただく講師のプロフィールを見たり、プログラムを「決める」側の立場にいましたから、尚更です。

お客様(事務局サイド)で「何をつくりだしたいのか」=“ What ”が明確であればあるほど、エッジの効いたプログラムになる可能性が高いですね。会話した細かいニュアンスなども鑑みて、“ What ”がブレないプログラムが出来上がります。

逆に、そこがあいまいで「どのようにするのか」=“ How ”ばかりに焦点が集まってしまうと、うまくいかないリスクが高まります。

これは実際にあった話ですが、打ち合わせの場を持って、お客様が考える“ What ”やその他のご要望を事前にお聞きしました。それを元に組み立てたプログラムに合意いただいたため、準備を進めたのですが、後になって「すみませんが、こんな感じでやってくれませんか?」と、まったく別のプログラム・アジェンダをお客様から提示されたのです。いろいろと事情があるらしく、こちらも何とかしたあげたい気持ちはあったのですが、“ What ”と“ How ”が乖離している…プロとしてクオリティを担保できないんですね。残念でしたが、その案件は辞退させていただくことになりました。

“ What ”と“ How ”、研修だけでなく、あらゆる仕事においても、特に“ What ”を明確にして成果を生み出すアイデアにつなげたいものです。

研修やっても・・・

『研修は必要だと思うんだけど、受けさせてもなかなか変わってくれないんだよね・・・』

人材育成のご担当者によく聞かれるご意見ですね。

実際、私も企業内で人材育成企画をしていたときは、まさに、これっ!

“いかに行動変容させるか”

が永遠のテーマでした。

研修会場で、受講者の方の意識は確実に変わっているんです。なので上の文章を正確に言い直すと「変わったんだけど、元に戻っちゃう」ということなんです。なぜなんでしょうね。

結構多いのが、“(研修を終えて)職場に戻ってみると周りはまったく変わっていない”という状況です。せっかく研修で気づきを得てアクション・プランまで考えたのに、今までと少し違う言動や振る舞いを仲間の前でするのはなんとなく照れくさい部分もありますよね。かわいそうなケースだと、『どうしたんだ、お前?』なんて上司・先輩に言われてしまって完全にノックダウンです(笑)。

あるいは、職場の理解を得られたとしても、本人の意識そのものが長続きしないこともよくありますね。

本格的なコンサルティングまではいかなくても、研修のお声がけをいただくお客様には、研修で確実に変化した受講者ご本人の意識が長続きするようなアイデア、あるいは上司や同僚を巻き込んで行動変容をサポートできるような職場環境作りのご提案をさせていただいています。